【ヤナカアパートメントシェアハウス入居者インタビュー①】何か物語がはじまりそうな、わくわくする場所
〈かいりさん〉20代男性
ー初めに簡単な自己紹介をお願いします。
小説を書くために上京してきました。
ー当物件に住んだきっかけや選んだポイントを教えてください。
谷中霊園の隣にあるシェアハウス。そんなの住んで、みたいでしょ。シェアハウスは多国籍の人々が集まる場所。
だから、いろんな価値観や考え方の人と出会える。そして、霊園の隣に住めるのは、もしかしたら、もしかしたらだけど、高次元の存在にも会えるかも。そんな浮き足だった気持ちで、このシェアハウスを選びました。
ー物件内のお気に入りの場所はどこですか?
キッチン。夜になると、みんなそれぞれ疲れた顔で帰ってくる。
だけど誰かが料理を作って、食べている姿を見ると元気になる。というのは建前で本音はみんな何でも食べさせてくれるから。
ー心に残っている思い出を教えてください。
寝付けない夜。ベランダに出ると、夜にカラスがいた。カラスは墓石の上でアイリスの供花を咥えている。みんなと逸れてしまったのだろうか。階段を降りて裏口から谷中霊園へ。カラスがいた墓石を見る。だけど、もうカラスはいなかった。
「カーァー」
カラスの鳴き声が聞こえた。鳴き声の方向を見るとヤナカアパートメントのベランダにいた。さっき自分がいたところだ。そのカラスは供花をまだ咥えており、夜でも目が合っていることが分かる。
「カーァー」
もう一度、鳴いた。供花がくちばしから落ちた。その供花を追いかけるようにカラスは翼を折りたたみ、地面に急降下。供花が地面に落ちた。カラスはさらに加速していく。と、まるで交通事故のようにカラスが地面にぶつかりくちばしがひび割れると、私は目を瞑った。
目を開けると、窓辺から朝日が降り注いでいた。そして枕が足元にあった。頭と足が、いつもと真逆になっていたのだ。起き上がると枕元には、なぜかアイリスの花があった。
そんな夢を見たのが思い出です。
ーすごい、さすが小説を書いているかいりさんだからこそ出てくる表現…物語を読んでいるようでとても惹き込まれました。
続いて物件の雰囲気はどんな感じですか?
あたりは静か。鳥のさえずりが聞こえる程度で、昼下がりに本を読んでいると、自分の鼻息の音に不快感を感じれるくらい落ち着いています。
ー周辺のおすすめスポットを教えてください。
すぐ近くの花重さんという花屋さん兼カフェがオススメです。
また上野公園が近いので、日々の喧騒から逃れやすい環境が過ごしやすいです。
ー最後に、物件のおすすめポイントを教えてください!
墓の隣。あと、コワーキングスペースがあるから、一人で黙々と作業をしやすい。また、一回には焼き菓子屋さん、ホットサンド屋さん雑貨屋さんがある。そんなシチュエーションは何か物語が始まりそうな予感があってオススメです。