shirahata8国際アートクラブ レポート

世界の“創る”が、ひとつのテーブルに集まった朝。|shirahata8国際アートクラブ レポート
土曜日の朝。
宮崎台の住宅街を少し歩いた先にあるシェアスペースに、ゆっくりと人が集まってくる。
窓から差し込むやわらかな光。
机の上には、それぞれが持ち寄った作品や道具たち。
コーヒーの香りの中で、「これ、実はね」と誰かが話し始める。
2026年5月23日。
shirahata8国際アートクラブでは、「創る教室 クリエイティブ交流会」を開催しました。
大人数ではない。
けれど、その場には確かに、国や世代を越えて“創ること”を楽しむ空気が流れていました。
1.どのようなイベントを開催されましたか?
今回開催したのは、アートやクリエイティブをテーマに自由に語り合う交流会。
作品を発表してもいいし、好きな表現について話すだけでもいい。
完成されたものではなく、「今こんなことを考えている」という途中段階も歓迎する場所です。
この日は、男性2名・女性3名が参加。
メキシコ出身の方、ロシア出身の方、日本の高齢の書道アーティストなど、とても多様なメンバーが集まりました。
印象的だったのは、参加者の方が持ってきてくださった“実物”たち。
画面越しではなく、手触りのある作品が机に並ぶと、その場の空気が一気に変わります。
「これは昔作ったものなんです」
「この色、実はAIでかなり調整していて」
そんな会話が自然と飛び交い、静かな熱量のある時間になっていました。
2.なぜイベントを開催しようと思いましたか?
最近はSNSやオンライン上で作品を見る機会が増えました。
それは便利で、世界とも簡単につながれる時代です。
でも同時に、“直接話す時間”は少なくなっている気がしています。
作品の背景にある想いや、その人の空気感。
「なぜそれを作ったのか」という部分は、実際に同じ場所にいることで、はじめて伝わることもある。
この交流会は、うまく話せなくてもいいし、完璧な作品がなくてもいい。
「創ることが好き」という気持ちを持った人たちが、ゆるやかにつながれる場所として始まりました。
アートだけではなく、デザイン、AI、ことば、文化。
ジャンルを限定しすぎないことで、思いがけない会話が生まれるのも、この場のおもしろさのひとつです。
3.イベントにはどのような方が参加してくれましたか?
今回、とても場を盛り上げてくれたのが、メキシコ出身の女性。
彼女が持ってきてくれたのは、「ピニャータ」と呼ばれる大きな手作りオブジェでした。
今回はなんと、“ドン・キホーテの顔”。
ユーモラスなその作品が登場した瞬間、部屋の空気がぱっと華やかになります。
ピニャータとは、中にお菓子などを入れて、みんなで叩き割るメキシコの文化なのだそう。
「最後は壊すんです」
その説明に、日本人参加者たちから驚きの声が上がります。
“せっかく作ったのに壊す”。
日本の感覚だと少し不思議にも思える行為。
けれど彼女は笑いながら、「みんなで盛り上がって、最後にお菓子を食べるんです」と話してくれました。
以前には“太鼓”のピニャータも制作したそうで、文化の違いだけではなく、“楽しみ方の違い”にも触れられる時間になっていました。
ロシア出身の男性は、AIを使って制作した作品を披露。
ゴッホを思わせるようなタッチの絵や、以前「創る教室」で制作したロゴマークなどを見せてくれました。
「これはこのアプリで作っています」
そんな風に、普段使っている生成AIツールについて自然に情報交換が始まるのも、この会ならでは。
“技術の話”だけではなく、「どう使うと自分らしくなるか」という感覚の共有が中心にあるのが印象的でした。
そして、高齢の女性参加者は書道家。
学生時代に先生方と制作したという木製看板の一部を持参してくださいました。

長い年月を経た木の質感。
削れた跡や色の深みから、時間そのものが作品に宿っているようでした。
さらに、鶏を描いた水墨画の原画も披露。
ただ見せるだけではなく、「なぜこのモチーフを描いたのか」「どんな気持ちだったのか」まで静かに語ってくださり、その場にいた全員が自然と聞き入っていました。
国籍も世代も表現方法も違う。
それでも、不思議と会話がつながっていく。
その光景が、とてもこの場所らしかったように思います。

4.イベントを終えてみて、いかがでしたか?
少人数の会でしたが、終わってみると本当にあっという間の1時間半でした。
英語と日本語が混ざり合い、時々笑い声が起こり、誰かの作品をみんなで覗き込む。
「こういう場、なんだか久しぶりです」
そんな声もありました。
何か大きな成果を作るわけではない。
でも、“創ることを通して人とつながる時間”には、やはり特別な力がある気がします。
特に今回は、「文化の違い」が面白さとして自然に共有されていたのが印象的でした。
壊す文化。
残す文化。
AIで描くこと。
手で墨を擦ること。
どれが正しいでもなく、それぞれの表現が同じテーブルに並んでいる。
その風景自体が、ひとつの作品のようでした。

5.次回のご案内
次回の「創る教室」は、6月13日開催。
テーマは、
「最新の生成AI事情 × アート勉強会」。
実際に生成AIを仕事で活用している講師を迎え、初心者の方から普段使っている方まで楽しめる内容を予定しています。
“AIを使うこと”が目的ではなく、
その先にある「自分らしい表現」や「創作との付き合い方」を、みんなで考える時間になりそうです。
また、さまざまな人たちの“創る”が交差する朝になりますように。
